どんまいアングラーのSkagit Report !!

Skagit Castの釣りにハマってから早8年が経ちました。

イントルーダーのタイイング(マテリアルの使い方編)

イントルーダー タイイング( マテリアルの使い方編 )


さて、前回のブログの中で、マテリアルの使い方として
ポイントはどうやら2つありそうですとお伝えしました。

1. 魚の側線に反応させる。
2. 魚の目に反応させる。

これはどういうことかと言うと…

魚は、自分が定位している近くを餌や他の魚が通る時、
その動きは、僅かな水流の変化を側線で感じ取ると言われてます。

魚にフライの存在をアピールするためには、フライ自信が水流の変化を
起こすようなマテリアルの使い方をする必要があります。

水流に変化を起こすマテリアルの使い方とはどのようにマテリアルを
使うのでしょうか?

例えば、下記は仲野さんに教えて頂いたテクニックの一例なのですが

イメージ 1


オーストリッチという素材を単一で使う場合、
オーストリッチの長さを不均一にすることによって
水流に変化を生じさせることを狙った方法です。

内側の白いオーストリッチはやや短く、外側のピンクのオーストリッチは
やや長めに巻いて行きます。

ここでの注意点は、あくまでもスイングの際のバランスを考えて下さい。
不均一が良いからと言って、フライのバランスを崩すような巻き方を
すれば、スイング自体してくれませんので…(;^_^A

水の中の動きとしては、マラブーが良いのですが、オーストリッチと比較し、
柔らか過ぎるため、水流への変化という観点では、物足りない素材の
ようです。この場合、マラブーの内側にオーストリッチ等をやや短めに
巻いておくと良さそうです。

素材の長さを変えること以外では、素材のそのものを変えるということで
水流の変化を与えることも出来ます。

例えば、シリコンラバー素材とオーストリッチの水中での動きは
明らかに違います。
その差異を利用し、水流に変化を与えます。

シリコンラバー素材を少しだけ仕込むことでも効果がありそうです。

イメージ 2


次に魚の目に反応させる…はどういうことかと言うと…
マテリアルに使う色とその色を目立たせるテクニックです。

海から上がる遡上魚は、色覚が存在せず、完全に白黒の世界になると
思ってましたが、
ただし、これにも諸説あり、特定の色は見えているという研究結果も
あるようです。

一方、淡水魚は人間と同じような色覚があります。

また遡上魚は、海水から淡水に回遊するとポロフィロプシンと言う目の中の
物質の感度が上がり、短い波長の光しか見えなかったものが、
長い波長の光も見えるようになってくるようです。

前回のブログでスチールヘッド用のストリーマーとして紫色の優位性を
お聞きしました。
また、別のスチールヘッダーの方からは、オレンジ色の優位性の
話もお聞きしました。

紫色とオレンジ色は対極的な色です。
そもそも色は脳が認識している虚構であり、実際は光の波長の長さが
色を認識させているのですが、紫色は短い波長であり、オレンジ色は
長い波長です。

何故、対極的なこの2つの色がニジマスに効果があるのか疑問でした。

今回ネットで色々と調べて行くうちに学術的な見地から
何故、鮭を釣る時はチャートが効果があるのか?
何故、紫色、オレンジ色という対象的な光の波長でニジマス
釣れるのか?理由、検証結果含めまとめられている論文をネット上から
見つけました。

サケ、マス資源管理センター 調査研究科生物資源研究室長 長谷川 英一さんの
下記論文は、釣り人にとって素晴らしい情報が満載されてます。


この論文からサクラマスの視運動反応率を見ると、波長が560nmの濃い
オレンジ色の部分で高いのと、もう一つ400nmという短い波長の紫色の部分で
高いことがわかりました。

ちなみに人間が見ることが可能な光を可視光線というのですが、
可視光線は、下界はおおよそ360-400 nm、上界はおおよそ760-830 nm
だそうです。

この400nmという波長で何故、サクラマスが反応するのかを
解明するために、魚の幼魚を紫外線撮影をしたようです。
撮影の結果、サクラマスニジマスの胸鰭部分が色が濃くなっており、
紫外線反応したようです。

また、別の実験結果から、 ニジマスが他の個体を狙う際に、胸鰭付近への
攻撃頻度が高かったことから、他の個体を識別するために、400nmの
波長に反応していたことがわかりました。

これは、ニジマスサクラマス特有の性質のようで、サケは530nmの
チャート色の視運動反応率が高く、カラフトマスは、530~560nmの
視運動反応率が高いようです。

逆にサケは、400nm波長の視運動反応率が低いですので、
例えば、サケとスチールヘッドが一緒に遡上する秋は、濃い紫色の
ストリーマーを使うと鮭を避けて釣ることが出来るかも
しれません。
一方、同じ遡上魚だからと言ってスチールヘッド狙いでフライに
チャートを使うとサケばかり釣れてしまいます。

ジェリーフレンチさんが作成された下記のイントルーダーパターンは、
実釣経験の中でこのようなカラーバリエーションでタイイングされた
のだと思いますが、後側に視認性が高いオレンジ色を
前側は、こげ茶と黒のオーストリッチを使い、ショルダーステーションは、
紫色のシールズファーと黒のUV系のICE DUB材が使われております。

上記論文の結果とも合致しており、釣れる要素満載だと思います。

イメージ 4


UV系の素材を購入する際は、紫外線ライトを持参されてマテリアルを
購入して下さい。
パッケージにUVと記載しているにも関わらず、UVライトに
まったく反応しなマテリアルもありました。
※ブラックライトの方がUVという意味であれば良いのかもしれません。


色以外に重要なポイントがもう一つあります。
コントラストです。

釣りの対象魚がストリーマーを見た際、太陽の光で同化され視認性が
悪くなることがあります。
曇りや夕暮れ、水の濁り、木々のオーバーハング、様々な自然環境の変化により、
水面に到達する光の波長が変わるため、視認性は変わります。

その場合、マテリアルに反対色や白、黒といった色を混ぜると、
自然環境の変化に影響されることなく、魚の反応しやすい色を
アピールすることが出来ます。

色の反対色(補色)を追記しておきます。




イメージ 3


これで前回のブログに記載したダーティーホーの欠点もわかったと思います。
(^_-)-☆



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