どんまいアングラーのSkagit Report !!

Skagit Castの釣りにハマってから早8年が経ちました。

OPST Micro Skagit Rod 9'9"3WT

▪️全く新しいコンセプトのロッド

 

以前のブログでOPSTのPure  Skagitロッドに関してはご紹介しました。

https://dontmindangler.hatenablog.com/entry/2019/11/09/120351

 

私は、7wtロッドは、北海道で、8wtロッドはカナダで使ってます。

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OPST Pure Skagit Rod 7WT/8WT

 

さて、本日ご紹介するのは、

Micro Skagitロッドの中でも最も低い番手である

OPST Micro Skagit Sweet Rod 9’9” 3WTロッドです。

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OPST Micro Skagit Rod 3WT

 

今までの概念を打ち破るこのロッド!!

あまりにも艶やかかつ甘美なロッドであるため、

あえて、Sweetと名付けてしまいました。

 

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OPSTでは、3WT/4WT/5WTのロッドは、

Micro  Skagit  Rodとして位置付けてます。

 

このロッドを単なるSkagit  Rodの低い番手のロッドと考えてはいけません。

 

OPSTのロッドが販売されるのに5年以上の歳月がかかった原因の一つが

Micro Skagitロッドの製作に時間を費やしたということです。

 

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繊細さとパワーを兼ね備える異次元のロッド

 

当時エド・ワードさんはご家庭の事情で

スチールヘッドの釣りが出来ず、ミシガン州

ご自宅のある近くの川でのバス釣り

小さなトラウトの釣りがメインでした。

 

自ずとMicro Skagitロッドの使用頻度は増え、エドさんの開発の主体は

むしろMicroになりました。

 

この中でエド・ワードさんはこの開発するロッドに大きな命題を課します。

 

◼︎相反する2つの役割

このロッドに課された2つの役割とは

  1. Slagit Rodとして低番手でもしっかりSkagit Headをキャストすることが出来ること
  2. 一般的なWFのラインをオーバーヘッドでキャストできること

⒈のロッドはどちらかというとロッドのミドルからやや前方部分にバネのようなパワーがある筋肉質のロッドを求めます

 

⒉のロッドはむしろ先調子の繊細さが求められます。

 

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繊細なロッド先端

この相反する2つの要求に応えるべく5年の歳月がかかってしまったようです。

 

そしてその相反する2つの要求を高い次元で融合できたのも

新素材であるグラフェンにお陰だと思います。

 

◼︎グラフェンの隠された有用性

ロッド設計は、FML仲野さんが行ってます。

エド・ワード氏のロッドアクションの好みを最も知り尽くしているのが

仲野さんです。

仲野さんの製品開発の拘りは相当なものです。

グラファイトロッド製作の鬼才ラスピークの魂を伝承した偏屈男の

バークハイマー氏が唯一心を許した日本人ですから…

 

低番手のロッドでSkagit Rodを作ること自体はBulah Japanlimitedで

実証済みですが、問題は、一般的なWFラインをオーバーヘッドキャストで

キャスティングできる繊細さをどのように実現するかです。

 

これには大変苦慮されてました。

 

ティップを繊細にするとSkagit Castでキャスティングする際に

ティップが破損してしまいます。

 

そこで新素材グラフェンの力が有効になります。

 

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新素材グラフェン

 

以前のブログでグラフェンに関して書きました。

高価な鮎釣り竿でグラフェンは使われてますが、

鮎釣り竿が出る前からグラフェンの有用性を認識していた

仲野さんは、この新素材をロッドに適用すべく検証を重ねることになります。

 

細く繊細かつパワーのあるロッドを作るためにはこのグラフェン

必須の素材だったと思われます。

 

私自身、仲野さんから数年前にこのグラフェンを使ったロッドを

降らせて頂いたとき、バネのような弾性を感じたことを記憶してます。

まさにSkagit用ロッドとして最適しかも軽量で販売された時

驚愕したBeulah Japanlimitedよりさらに軽量化かつパワーが

あったことに衝撃を受けました。

 

高番手ロッドに最適と思われていた新素材グラフェン

低番手のロッドでもその有用性を発揮されていることが驚きです。

 

素材が新しくなったことで既存のベンドカーブの概念が

全く通用しなくなります。

 

仲野さんの設計感覚とエドのフィーリングで開発は

進みます。

 

エドワード自身もこのロッドを検証する段階でベンドカーブとか

既存のグラファイトの概念では捉えることができないので、

キャスティングの際のフィーリングや実際の魚とのやり取りの

フィーリングをフィードバックしたと述べてます。

 

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グラフェンを使ったブランクの設計開発に5年以上の歳月がかかってます。

大手ロッドメーカーは既存のグラファイト素材の在庫を多く抱えている

でしょうから、大手メーカーがこの素材を使ってロッドを製作するのは、

まだ先になりそうです。

 

◼︎Micro Skagit Rodの特徴

さて、OPST Micro Skagit Rod(3WT/4WT/5WT)の特徴を

書きます。

  1. Skagit Castでもオーバーヘッドキャストでもどちらでもキャストできる
  2. グリップが非常にコンパクトなシガータイプである(3WT/4WT)
  3. ガイドはREC社の最高級品セリコイルガイドを使用

⒈に関しては間違ってもSkagit Headでフルラインのオーバーヘッドでの

キャスティング練習とかしないようにして下さい。

さすがにTip折れます。

あくまでもオーバーヘッド用のラインを使って下さい。

 

⒉に関しては、どんな非力な人でも3WTロッドであれば、

シングルハンドキャストしても軽快にキャスティングできます。

 

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非常にコンパクトなグリップ

20cm〜30cmの魚とのやりとりをぜひお楽しみ下さい。

 

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グリップの3本線は「川」の字を表現しているそうです

 

⒊に関しては各ロッドメーカーの最高級ロッドに使用される

セリコイルガイドが使用されてます。

 

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REC社の最高級セリコイルガイドを使用

 

なぜ多くの製品にセリコイルガイドが採用されているか?

もともとガイドはステンレス製なのでロッドの素材と比較すると

硬いです。そのため、このように取り付けるとロッドの曲がりが

阻害されてしまいます。

 

セリコイドガイドはバネのような構造をしており、形状記憶合金で

あるため、ロッドの曲がりに応じてガイドも曲がってくれます。

 

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バット部分のセリコイルガイド

 

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バットから2番目にもセリコイルガイドを使用

 

REC社はこのバネのような構造を阻害しないよう工業用ダイヤモンド

ジルコニア)を内包し、ラインの摩擦を極限状態に抑えます。

 

最新の素材、最高のガイド、エド・ワードシグネチャーモデルで

あるにも関わらずなぜこんな驚愕な安さを

実現できるのか?は、トップシークレット事項ですが、

性能、価格、フィーリング含め最高かつ異次元のロッドであることは

ロッドを使って頂ければわかると思います。

 

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次回のブログではオーバーヘッドキャストした際の

検証結果を書きたいと思います。

 

お楽しみに…